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音質の改善 2 [ミックスダウン&マスタリング]

前回は個別トラック上での音質改善の例でした。今回はマスター・トラック上での音質改善です。

サブ・ミックス・トラックは個別トラックの集合体であり個別トラックから送られた音声信号を1つのトラックにするミックス・ダウンを行っています。サブ・ミックス・トラックは複数あります。例えば楽曲用とかドラム用あるいはピアノ用です。そして、これらのサブ・ミックス・トラックの最終段階でリミッターを用いて出力音圧レベルを -6 dB に制限してマスター・トラックに送っています。ですがいくら出力音圧レベル -6 dB に制限したとしても複数のサブ・ミックス・トラックのミックス・ダウンを行えば容易に -6 超えるのは明白です。そこでマスター・トラックでは2つのプラグインを用いて出力音圧レベルを調整しています。

1つ目はリミッターを用いて -6 dB を超えた部分の圧縮です。下図は実際に使用しているリミッターですが左下の THRES の値が -6 dB に設定されています。つまり -6 dB を超える音量は -6 dB までに圧縮され出力されている事を示しています。

2022-03-05 01.jpg

2つ目はマキシマイザーを用いて最大限の出力音圧レベルの底上げです。マキシマイザーの設定値は Thresh は -6 dB にそして Out は -0.1 dB となっています。これは全体を -6 dB から -0.1 dB へ引き上げている事を示しています。

2022-03-05 02.jpg

ここまでは Volume 22 までの話です。2つのプラグインを通す事でそれぞれのプラグインの効果は認められます。しかし、それと同時に2つのプラグインを通す事での音質の劣化は免れません。そこで Volume 23 ではこれら2つの工程を1つに集約する事にしました。具体的には1つ目のリミーターでの工程で最終的な出力音圧レベルの底上げも同時に行う事です。下図を見てください。先に示したリミッターとは設定が異なっています。一番の違いは右下側の Classic Mode のチェックが外れていることです。この Classic Mode がチェックされている場合には従来の純粋なリミッターとして働き、チェックが外されている場合にはリミッター及びマキシマイザーの両方の機能が働きます。Volume 23 ではこのチェックを外し、Thresh は -5.8 dB にそして Out は -0.2 dB としています。これにより -5.8 dB を超える音量に対しては -5.8 dB までに圧縮し、更に全体の音量のピークを -0.2 dB に底上げしています。これまでよりは若干の余裕を持たせた感じです。

2022-03-05 03.jpg

実際に音を聴いてみると歪感が消えうせ音がスッキリした感じになりました。反面、マキシマイザーである Loud Max を通過させていないので迫力に欠ける様な気がします。 それでもこのスッキリ感が聴いてて心地良いので今後の Vitamin X ではこの仕様とします。

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