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2018版 マスター・トラック [ミックスダウン&マスタリング]

今回はいよいよマスター・トラックです。各サブミックス・トラックから送られた音声データーはこのマスター・トラックで一つに集約され完成となります。個別トラックやサブミックス・トラックで -6 dB まで圧縮された音声信号はここで重なる為、容易に -6 dB を超える部分が発生します。この -6 dB を超えた部分を如何に処理するか? これが重要なポイントです。


1.個別トラックのボリュームを調整

下図はマスター・トラックを音声ファイルで書き出し波形編集ソフトで読み込んだ画像です。クリップが発生しない様、又、試聴で爆音や耳障りな音が発生しない様、個別トラックのボリュームをここでも調整します。同じ事をサブミックス・トラック及びマスター・トラックで2度行うのです。

2018-05-15 01.jpg


2.リミッターを用いての圧縮

サブミックス・トラックでも -6 dB を超えた部分をリミッターで圧縮しましたが、このマスター・トラックでも同じ様に -6 dB を超えた部分をリミッターで圧縮します。

2018-05-15 02.jpg

上図はリミッターで圧縮した後の波形ですが、まるでCDの波形の様に綺麗に上下がそろっています。


3.マキシマイザーを用いての音圧アップ

波形の上下が -6dB を上限に綺麗に揃ったところでマキシマイザーを用いて音圧アップを行います。

2018-05-15 03.jpg

波形を見れば一目瞭然ですね。これだけの違いが有れば聴くだけでその違いが認識されるはずです。


4.考察

CDのリッピングを行いその音声データーを波形編集ソフトで見た事が有る方なら分かると思います。上下が綺麗に揃っているはずです。CD創世記の '80 年代のCDではあまり見られない現象です。それでもCD以前のレコードの時代でもコンプレッサー等のツールは使われていました。例えそれが生バンド系だったとしてもです。コンプレッサー等のツールは波形そのものを変形させます。波形そのものが変形すれば当然ながら音が変わります。アコースッティク楽器のレコーディングでこれらのツールを使ったとしたらもうそこには原音なんて云うモノは存在しません。オーディオの世界でケーブル(スピーカーや電源)を変えたら音が変わるなんて云う事ををしばしば見かけますが、それ以上の変化が制作現場で行われているのです。ケーブルの違いによる音の差がいとも簡単に吹き飛ぶ位の波形の変化がそこに存在しているのです。

でも、波形を変化させる事によってリスナーが気持ち良く聴く事が出来るのであればそれに越した事は無いはずです。CDに刻まれた音声データーが最終形態だとしたらそこに辿り着く過程なんてリスナーには無関係です。何故ならその最終形態を欲しているのがリスナーだからです。リスナーが気持ち良くそして楽しく聴く事が出来ればそれで良いのです。元気の無いミックスから元気が復活したミックスが出来ました。圧縮に次ぐ圧縮です。音なんて結構変わっているはずです。でも、元気が復活しました。ただそれだけの事です。


尚、次回のブログ更新は5月23日を予定しています。宜しくお願い致します。

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